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BL漫画・小説の感想、主婦の日常雑記

2025

0528
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2018

0912
今回紹介したいのはBL小説『美しい彼』(凪良ゆう/徳間書店)です。面白くて一気読みして、その後3回くらい再読していますかね~。

物語の語り手は、吃音症(きつおんしょう)の高校生、平良一成(ひら かずなり)。吃音とは、簡単に言うと「どもり」のことで、緊張などで言葉が発しづらくなる病気です。自己紹介しようとしても、「ひ、ひ、ひ、ひ、ひひひ」とどもってしまうので、誤解されて友だちもできないぼっち状態が小学校・中学校と続きます。

私は、以前まったく同じ状態の知人がいて、電話がかかってくると名乗るのに一苦労していたのをよく覚えていたので、彼に最初からすごく同情してしまいました。

そんな平良の運命が大きく変わるのが、高校2年目の初日。クラスで自己紹介の時に、「清居奏(きよい そう)」というとんでもなく美しい男子に見とれていて、自分の番で思いっきり吃音が出てしまったのです。

その日から、平良はスクールカースト最底辺に確定し、頂点グループからパシリ扱いされるように。当然その頂点グループに清居もいたのですが、ある出来事をきっかけに、平良は清居を神や王様のように(心の中で)崇め奉るようになります。

前半はこの平良の視点で語られ、辛いながらもいじめられる側の心理に共感してぐっとくる部分も多いです。

しかし、一番盛り上がって楽しいのは、「美しい彼」である清居の視点で語られる後半です。「きもうざ」と見ていた平良のことが、次第に無視できない存在になっていく過程や理由がじっくりと語られます。あのとき胸中はこんなだったのね~という部分が謎解きみたいな気持ちよさ。

自分を神や夜空の星としか思っていないような相手に対するもどかしさや怒りが滑稽なほどで、こういう価値観でのすれ違いってありかいなとニヤニヤしっぱなしでした。

続編の『憎らしい彼』もオススメです。ラブだけでなく、若者が人として進路に悩み仕事を通して成長していく様もきちんと描かれていて、読み応えありです。
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