BL漫画・小説の感想、主婦の日常雑記
2018
『僕らの食卓』 (三田 織/幻冬舎コミックス)は、家族や食を通して”人にとって大切なもの”を感じられるお話です。子育て中や、子どもの出てくるBLは好きじゃない…という人にも読んでほしい!
一人暮らしでサラリーマンの穂積豊(ほづみゆたか)は、家族に恵まれず人と食事をすることが苦手な若者。会社のお昼は一人公園でスーパーの総菜とサラダ、自作のでっかいおにぎりを食べる日々でした。ある日公園で、飢えた目つきで豊のおにぎりをガン見する幼稚園児くらいの小さな男の子「種(たね)」くんに出会います。
おにぎりをあげると美味しそうに食べる種くん、そこへ年の離れた種くんの兄、上田稔(うえだみのる)が現れて…。豊のおにぎりをきっかけに、一緒に食事をするようになる上田家は、母を亡くした父子家庭。やがて上田家の人々と過ごす時間が豊にとってかけがえのないものになっていきます。
さてこのお話の(私的)名作要素ですが、
・幼い弟、種くんの可愛さと煩わしさがリアル!
・食事は、栄養だけでなく人と人との関係や心を強くする上で大切とわかる
・オトン(上田家の父)の名言が刺さる!
種くんの描写や展開への絡みが上手くて、子育て中の人が読んでもけっこう胸に来るものがあると思います。子どもって可愛いだけじゃないのよ…でも超可愛いのよ…という部分をちゃんと描いていてリアルなんですよね。
一番刺さったのは、妻を亡くした経験を持つお父さんの言葉です。お互いに過去に大切なものを失くした過去を持つ豊と稔は関係を深めることを躊躇するのですが、それを含めて「愛」なのだと諭すお父さん。
「誰かを愛するということは、失う時の痛みも引き受けることだと思う」
「誰かを愛するということは、失う時の痛みも引き受けることだと思う」
「…この痛みは妻を愛した証なんだ」
「この痛みを味わえて ぼくは幸せだ」
くぅ~!名ゼリフじゃないですか?
くぅ~!名ゼリフじゃないですか?
人は人によって傷つくけれど、人を癒すのはやはり人であると感じる、温かいお話です。
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