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BL漫画・小説の感想、主婦の日常雑記

2025

0526
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2018

1111
新婚さんや恋人の間で、夜の営みがないと寂しいってことはあると思うのですが、結婚して早10数年の私は、まあ無くても大丈夫です。でも、婚約していて、同棲もしているカップルがセックスレスというのは、なかなかに辛いものがあるでしょうね。

BL小説『ふったらどしゃぶり When it rains it pours』 (一穂ミチ/KADOKAWA/フルール文庫ブルーライン)は、そんな、恋人とのセックスレスに悩むサラリーマンの一顕と、一緒に暮らす幼馴染みに片思いを続ける整の物語です。

お互い、好きな相手と暮らしているんだけど報われない!という苦しみを抱えて生きている2人が、メールの手違いで不思議な交流を重ね、心を通わせていく…というお話。

相手も自分も男性である整はともかく、一顕の相手は女性で、しかも婚約者なので、なんだか可哀想になってしまいます。彼の場合、性欲が満たされなくて欲求不満というよりも、「お母さんに抱っこしてもらえない幼い子供」みたいな切なさがありました。どんどん、愛が信じられなくなっていくんですよね。いやー、やっぱり大事なことなんだなあと思います。

「ふったらどしゃ降り」というのは、カラカラの日照りがずーっと続いて、いざ降り出したら物凄い豪雨になった!という意味だそうです。確かに、身も心もカラカラに乾いた状態だった一顕と整が、いざその時になり満たされていく様子はどしゃぶりものでした♪

一穂ミチさんの小説はこれが初めてで、切実な心理描写にリアリティがあって良かったです。
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2018

1103

今、NHKで雲田はるこ先生原作のドラマ「昭和元禄落語心中」がやっていますね。もちろんBLではありませんが、ドラマチックなストーリーと濃厚な人間ドラマ、魅力的なキャラクターなど、雲田先生作品の醍醐味が遺憾なく発揮されていて毎週楽しみに観ています。

 

ということで、色々と好きな作品はあるのですが、何気ない日常を描く「日常BL」として名高い「いとしの猫っ毛」(雲田はるこ/リブレ出版)。良いですよ。ほんとうに。

 

幼なじみの「みいくん」と「恵(けい)ちゃん」の恋愛を描くこちら、5巻完結なのですが、幼い頃の出会いからつき合うに至るエピソードを描いた「小樽篇」と、最近発売された「番外篇」もあります。

先日は番外編を読む前に「小樽篇」を再読して、また感動しちゃいました~。

 

社会人で、東京で一緒に暮らし始める本編ももちろん面白いのですが、北海道を舞台に2人の出会いから高校生までを描くのが小樽篇です。日常のほっこり感が楽しい本編よりも、若者特有のシリアスな葛藤や家庭の事情が分かり、ふたりの絆の強さが胸に迫って本編がさらに面白くなるというシロモノです。

 

小さい頃の、自己紹介の場面がもう可愛いんですね。恵ちゃんが、「みさぶろう」と言えずに「みちゃぶろ?」「みさむろ?」と言い間違え続けて、結局「みいくん」に落ち着くくだり、みいくんはここからもう恵ちゃん大好きになっています。だいぶ微笑ましいです。

 

一途に恵ちゃんを思い続けるみいくんが、「友情」と「家庭の事情」を乗り越えて、いかに思いを実らせるかが見どころです。けっこう自分勝手な行動や思い込みが激しいみいくんを、大きな包容力で包み込む恵ちゃんがまた素敵。そんな恵ちゃんが一見天然なゆるふわ男子っぽいのも魅力のひとつです。ぎすぎすした日常に嫌気がさしたら、ぜひ癒されに読んでみて欲しいです。

2018

1028

この漫画「犬の幸せと僕の憂鬱」(上川きち/芳文社)は、以前、雑誌「花音」に感想ハガキを送ったとき、ついでに応募した読者プレゼントで当たったんですよ。読もう読もうと思いつつタンスのこやしにしていました。

が、最近冬物を出そうとして見つけて、読んでみたら意外と面白かったです。意外とって、失礼ですがっ。

 

イラストレーターで雑誌のモデルもやっている、拓海(たくみ)くんのメスの愛犬、「音女」(おとめ)さんが主人公です。犬がちゃんとBLバナシの中で機能しているのが珍しいなあと。いや、話自体は普通のBLなんですが、気位の高いメスの柴犬の語りが面白いです。

 

愛犬のお散歩で出会った者どうしのラブコメで、お相手のマジメ男性、弁護士の東野(とうの)が、アルコールをちょっとでも摂取すると人格がエロ口説きキャラに豹変するという設定です。恋に不器用な拓海は戸惑いながらも口説かれることを喜んでいましたが、東野が我に帰ると2人は気まずくなってしまい・・・。

 

音女さんは、飼い主の拓海を応援しつつ、冷静に観察し、つっこみ、ときに助け舟を出し・・・。さらには自分も東野が飼っている天然元気で若干アホキャラのオス柴犬「花緒」と良い仲に♪

しかし、飼い主どうしが気まずくなると、犬は会うことができないというわけで、2人の距離を急激に詰める犬たちの活躍が微笑ましいお話でした。

2018

1027
この小説『夢の卵』(鷺沼やすな 著/オークラ出版)は、公私ともに頼りきっていた恋人が、突然11歳の子どもに精神的に後退してしまう、というお話です。

モデルのような容姿の人気作家、太夏志(たかし)は、年下で感情を表に出さない詩草(しぐさ)に、恋人としても秘書としても満足し、生活のほぼすべてで依存していました。ところが、詩草は養父でもある叔父の葬式に出席後、なぜか精神が後退。太夏志とは役割が逆転してしまいます。

この小説の名作ポイントは・・・
・心理療法士の療法をかなり詳しく調べてから書いたと思われ、リアリティがあって引き込まれる。
・関係性の逆転。しっかり者だった詩草が子どものように甘える描写が可愛い。
・11歳の詩草も純粋に愛する太夏志だが、身体の関係は持てないと禁欲を自分に強いるところがオツ。
・詩草の後退は、母親の愛情が大きく関わっていることが分かり、「母性」を考えさせられる。

そのほかにも、作家・物書きとしての視点や、背景や心理描写がていねいに描かれ、BLというより普通の文芸作品のような読み応えがありました。1998年(2005年文庫化)の作品ですが、古びない名作だと思います。

2018

1021
毎日毎日、皿洗いとか洗濯が面倒でツライとき、家事しながら漫画が読めたらいいのに…と思います。
そんなクサクサした気分のときは、思いっきり笑えるBL漫画、『鮫島くんと笹原くん』(腰乃/ソフトライン 東京漫画社)を読むと良いです。

大学の同級生でバイト仲間の友人、鮫島くんに告白された笹原くん。
正月に友人みんなで行くスキー旅行を楽しみにしてたのに、スルーしようとすれば迫ってくるし、真剣に向き合おうとすれば逃げられて…。2人の関係が恋に発展するまでのもだもだと、わちゃわちゃした学生ノリがリアルでテンポがよく、大笑いして読後はスカッとすること請け合いです。

私が特に好きな場面は、鮫島くんが笹原くんに「オメーが好きだっつってんのわかってんのか」とキレて迫るところ。あと、ケンカのシーンもコントみたいなセリフ回しが楽しいです。

しかし鮫島くんは勢いでグイグイ迫るのかと思いきや、ヘタレで不器用な純情乙女のよう。意外と面倒くさい人なのですが、後半はそんな鮫島くんにちゃんと対応していく笹原くんがやけに男前に感じてしまいました。

とにかくキャラの魅力全開で、「自ら立てた恋のフラグを全力で折りにいく男」鮫島くんに、ガンバレ(笑)!と応援したくなります。ただ笑わせるだけじゃない、若者の繊細なアホさ加減にもホロリとさせられ、たいへんに読み応えのある楽しい一冊です。

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